何でもスピーディーな時代。
欲しいものが、指1本で翌日には手に入る時代。
とっても便利。
これらの利便性を求めて、多くの人が研究・開発に尽力してきた。
それが人々の生活に幸せをもたらすと信じて・・・。
私たちは、子育てにもスピーディーを求めていないだろうか?
「早く早く」
「急いで!」
「いつまでやっているの?」
「さっさとしなさい」
これらの言葉を、いったいどれくらい子どもたちに聞かせているだろう?
何でも早くから「させる」ことがよいことと信じて、知らず知らずのうちに、子どもたちに無理をさせていないだろうか?
時には、立ち止まって考えてみよう。
急いで育てることで、大切なことを見失ってはいないかと・・・。
私たちは、これまでの経験で分かっているはず。行き過ぎた「早く」は、子どもたちを、そして子どもたちの未来を幸せにしないと。誰にも未来は保証されていない、確かなのは「今、ここにある瞬間だけ」だということを。
もっと大切にしたい。
もっとその価値に気づいていきたい。
「今、ここにある瞬間」の。
二度と手に入らない、子どもたちの「子ども時代」を。
保育園も幼稚園もこども園も、子どもたちが生活をする場所です。
子どもたちの24時間365日のサイクルの中の一部を過ごす場所です。
乳幼児期の子どもたちは、生理的なリズム(おなかが空いた時が食事タイム、眠たい時がおひるねタイム…)で生活をしています。
大人の私たちは社会的なリズム(休憩時間が食事タイム、眠たい時も仕事タイム・・・)で生活をしています。
大人が意識をしていないと、子どもたちは自分たちのリズムを譲ることになってしまいます。
だから、意識して、できる限り大人都合で生活するのではなく、子どもたちの生理的なリズムに合わせて生活を送っていきたいと願っています。
ゆるやかな時間枠の中で、食事・排泄・睡眠・遊びが自分のペースでできるよう、タイムスケジュールをたてたり、環境を整えたりしています。
不思議なことに、このほうが子どもたちは「早く」と急かされていた時よりもササッと自分たちのことをやるものなのです。
それが、自分たちの自然なリズムだからなのかもしれません。
3歳児だって、大人がついていなくても、自分で食事を済ませたら、トイレに行ってお布団に入ります。
おおらかに構えて、子どもたちと過ごしていくと、笑うことが多くなり、大人の表情が美しくなります。